キャットフードの給餌量とは、猫の体重・年齢・運動量から1日に必要な摂取カロリー(DER)を計算し、フードのkcal/100g表示で割って算出する手順です。
2026年6月時点でAAFCO(米国飼料検査官協会)と環境省の指針を整理すると、体重4kgの成猫なら1日約240〜280kcalが目安。ドライフードkcal400/100gなら60〜70g/日、ウェットkcal80/100gなら300〜350g/日と、フードの種類で給餌量は5倍以上変わります。
「うちの猫、フードのパッケージ通りに与えているけど太ってきた…」「子猫から成猫になったらどう減らせばいい?」「シニア猫になったら逆に増やすの?」——給餌量の正確な計算は、肥満予防と栄養不足予防の両方に直結します。キャットフードナビ 編集部では、AAFCO基準と環境省「住宅密集地における犬猫飼養ガイドライン」、ペットフード公正取引協議会の表示ルールを整理し、ブラウザで使える給餌量計算表を1記事にまとめました。
この記事でわかること
- 体重×年齢×運動量別の1日必要カロリー(DER)早見表
- 市販ドライフード・ウェットフード5例のkcal/100gサンプル
- 子猫・成猫・シニア猫の給餌量切り替え時期と目安
- 「フードパッケージ表記」と「実際の必要量」がズレる3つの理由
筆者は本記事で、AAFCO公式の「Nutrient Profiles for Cats」、環境省ペット関連資料、ペットフード公正取引協議会の総合栄養食基準を読み比べ、公開データを整理しました。獣医師による個別診察に代わるものではありませんが、毎日の給餌量を「なんとなく」から「数字根拠」に変える出発点としてご活用ください。
キャットフードの給餌量計算とは?AAFCO基準のDER計算式
結論として、猫の1日必要カロリー(DER:Daily Energy Requirement)は「RER(安静時必要エネルギー)×活動係数」で算出されます。なぜなら、猫種・年齢・避妊去勢の有無・活動量で必要なカロリーが大きく変わるからです。
AAFCO(米国飼料検査官協会)とペットフード公正取引協議会が公表している基準を整理すると、計算式は次のとおりです。
| 項目 | 計算式 | 体重4kgの場合 |
|---|---|---|
| RER(安静時必要エネルギー) | 70 × 体重(kg)^0.75 | 約198 kcal |
| 子猫(〜12ヶ月) | RER × 2.0〜3.0 | 約396〜594 kcal |
| 成猫(避妊去勢済・室内) | RER × 1.2〜1.4 | 約238〜277 kcal |
| 成猫(未避妊・活動的) | RER × 1.4〜1.6 | 約277〜317 kcal |
| シニア(7歳以上・活動低下) | RER × 1.0〜1.2 | 約198〜238 kcal |
| ダイエット中 | RER × 0.8〜1.0 | 約158〜198 kcal |
※AAFCO「Nutrient Profiles for Cats」をもとに、ペットフード公正取引協議会の総合栄養食基準を参照。個体差があるため、体重変化を毎月確認しながら微調整してください。
「ペットフードの表示には、給与方法・原材料名・添加物・賞味期限・原産国名等を、ペットフード安全法に基づいて表示する必要があります。」
— 環境省「ペットフード安全法の手引き」(env.go.jp)
体重・年齢・運動量別の早見表【1日のkcalと給餌量】
計算式は分かったけど自分で電卓を叩くのは面倒…という人向けに、よくある体重×年齢で計算済みの早見表を用意しました。キャットフードナビが公開資料を整理・計算したところ、同じ体重でも年齢で給餌カロリーが最大2倍違うことが分かりました。
| 体重 | 子猫 | 成猫(室内・避妊) | シニア(7歳以上) |
|---|---|---|---|
| 2kg | 約235〜353 kcal | 約141〜165 kcal | 約118〜141 kcal |
| 3kg | 約319〜479 kcal | 約191〜224 kcal | 約160〜191 kcal |
| 4kg | 約396〜594 kcal | 約238〜277 kcal | 約198〜238 kcal |
| 5kg | 約468〜702 kcal | 約281〜328 kcal | 約234〜281 kcal |
| 6kg | 約538〜806 kcal | 約323〜377 kcal | 約269〜323 kcal |
市販フードのkcal表示を確認すれば、必要グラム数が計算できます。2026年6月時点で店頭で目にする代表的なフードのkcal/100g目安は以下のとおりです。
| フードタイプ | kcal/100g目安 | 体重4kg成猫の1日量 |
|---|---|---|
| ドライフード(一般) | 370〜420 kcal | 約55〜75g |
| ドライフード(高タンパク・グレインフリー) | 400〜450 kcal | 約50〜70g |
| ウェットフード(パウチ・缶) | 70〜100 kcal | 約240〜400g |
| セミモイスト(中間タイプ) | 280〜350 kcal | 約70〜100g |
| 療法食(処方食) | 350〜400 kcal | 獣医師の指示通り |
※各フードの実数値はメーカー・商品で異なります。必ず購入時のパッケージ表示で確認してください。
年齢別の給餌量切り替え手順【4ステップ】
給餌量は猫の成長段階で変えていきます。最初に確認したいのは「いま何歳でどの段階にいるか」です。
- 0〜12ヶ月(子猫期):高カロリー高頻度(1日3〜4回) — 成長期は成猫の2〜3倍のカロリーが必要。ふやかしフードや子猫専用ドライを利用します。詳しくは子猫から成猫へのフード切り替え時期2026を参照。
- 12ヶ月〜7歳(成猫期):1日2回・体重維持基準 — 室内飼い・避妊去勢済みの場合、RER×1.2〜1.4で計算。体重を毎月測り、増加傾向なら係数を下げます。
- 7歳以上(シニア期):1日2〜3回・低カロリー・高消化吸収 — 活動量低下に合わせ係数を1.0〜1.2に下げ、必要に応じてシニア向けフードに切り替えます。
- 11歳以上(ハイシニア):少量頻回・歯と消化に配慮 — 1回量を減らし1日3〜4回に分割。ウェットフードの併用で水分摂取も増やします。
2026年6月時点で日本国内の室内飼い猫は7歳超が約4割を占めるとペットフード協会の調査で報告されており、シニア向け給餌の見直しは多くの家庭で必要なテーマです。
注意点・よくある失敗|パッケージ表記と実際の差
給餌量計算で失敗しがちな4つのポイントです。
- パッケージ表記より少なめが基本 — メーカー表記の「給与量」は活動的な未避妊猫を想定していることが多く、室内飼い・避妊済み猫だと10〜20%多めです。体重変化を見ながら調整しましょう。
- おやつのカロリーを含めていない — ちゅーる1本約7kcal、ささみジャーキー1枚約15kcalなど、おやつのカロリーは1日DERの10%以内に抑えるのが目安です(環境省・動物病院の一般推奨)。
- 水分摂取量を忘れている — ドライフード中心の場合、1日体重1kgあたり50mlの水分が必要です。詳しくは猫の水分補給ガイド2026を参照してください。
- 体重測定をしていない — 月1回の体重測定がないと、5%程度の増減に気付けません。キッチンスケールで抱っこ時測定→自分の体重を引く方法で簡単に測れます。
「過剰な給餌は肥満につながり、糖尿病・関節疾患・尿路疾患のリスクを高めます。給与量はパッケージ表示を目安としつつ、体型を観察して調整してください。」
— ペットフード公正取引協議会(pffta.or.jp)
よくある質問(FAQ)
Q1. フードのパッケージ表示と早見表、どちらを優先すべきですか?
A. パッケージ表示は商品ごとのkcal設計に最適化されているため、まずはパッケージ表示の最低量から始め、体重変化を月1で確認しながら早見表の範囲内で調整するのが安全です。
Q2. ドライフードとウェットフードを併用する場合の計算方法は?
A. 1日の必要カロリー(DER)を「ドライ◯%+ウェット◯%」で配分します。例えば体重4kg成猫DER260kcalで「ドライ60%・ウェット40%」なら、ドライ156kcal(約40g)+ウェット104kcal(約100g)で算出します。
Q3. 体重が減ってきたら給餌量を増やすべきですか?
A. 体重5%以上の急な減少は病気のサインの可能性があります。給餌量を増やす前に動物病院での受診を強く推奨します。詳しくは猫の食欲不振の原因と対策2026もご覧ください。
Q4. 多頭飼いで給餌量を個別管理する方法は?
A. 個別給餌が基本です。マイクロチップ式自動給餌器・別部屋給餌・人が立ち会う給餌時間の固定など、混食を防ぐ仕組みが必要です。詳細は多頭飼いの猫の食事管理ガイド2026をご覧ください。
まとめ
結論として、キャットフードの給餌量は「DER計算→フードkcal表示で割る→体重で微調整」の3ステップで決まります。2026年6月時点で押さえたい要点は3つです。
- DERは「70×体重(kg)^0.75×活動係数(成猫1.2〜1.4)」で算出
- 体重4kg成猫の1日量はドライ約55〜75g、ウェット約240〜400g
- 毎月の体重測定とおやつカロリーの管理が肥満予防の基本
キャットフードナビでは今後もAAFCO・環境省・ペットフード公正取引協議会の最新情報をもとに、飼い主が「数字根拠」でフードを選び・与えられる実践ガイドを発信していきます。フード選びの基準は【2026年最新】キャットフードの選び方実践ガイドもあわせてご覧ください。
本記事について
最終更新: 2026-06-29 / 監修・編集: キャットフードナビ 編集部。本記事は2026年6月時点のAAFCO・環境省・ペットフード公正取引協議会の公開資料に基づいて作成しています。基準・各フードの仕様は改定される可能性があるため、最新情報は環境省・ペットフード公正取引協議会でご確認ください。本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、獣医師による個別診察・処方の判断に代わるものではありません。体重変化や食欲不振など気になる症状があれば、動物病院での受診を推奨します。お問い合わせ・プライバシーポリシーはこちら。
